第四十夜 アドセンス広告をつけてみた〜活性水素水編〜

日田天領水2リットル入り

googleのエラー画面(第三十八夜)にリファラをつけてくださったサイトがあったので見に行きました。

http://d.hatena.ne.jp/shi_mo/20040313

こうゆう小ネタの方が反応いいんですね(笑)。
画像アップしたのも初めてだし。

そのままshi_moさんのところを読んでいたら、もっと驚くサイトがありました。

http://d.hatena.ne.jp/teru_ikumi/
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・・・・・・
怖いです。コメントできません。
これ以上深入りするのはやめときまして、本題に入ります。といっても今回は本題もちとヤバ気なネタなんですが・・・。
今日は実は別なネタ(第三十三夜 はじめての人力検索 の結果報告)を用意してたのですが、それを後回しにするネタが入ってきたので・・・。

第三十九夜でこのサイトに改造を加えまして、ついでにgoogleアドセンス広告(3月20日訂正アドワーズアドセンス)をつけました。まあ「はてな」の収入になるんだからいいかな、くらいの軽い気持ちです。やっぱり、というか当然、というかBlogとか、調査会社とかの広告が入ってきますね。まあ最初のうちだけですが自分のサイトに載って来る広告は気になるもので新しいものが目に付くとクリックしていました。

えいっ、クリック。
ふーん
次!! クリック
つぎ  クリック
・・・
・・・・
・・・・・・・・
広告名もよく読まずに見ていたらこんなのが入っているのに気付きました。

http://www.hitatenryosui.com/
日田天領水の通信販売(過剰な活性酸素を消去する活性水素を多量に含むおいしい水*日田天領水
活性水素水なる健康飲料(医薬品でも医薬部外品でもなさそう)の直販業者のようです。

どこがうちと関係あんねん!!
(それに「過剰な活性酸素を消去する活性水素を多量に含・・・」という日本語はおかしいような)


アドセンス広告は掲載する方はどんなのが表示されるかは選べないよ、という例です。どこをどう関連付けたらこの広告がうちのサイトに掲示されるのかは全くもって不思議ですが、いい機会なので活性水素なる代物を調べて見ましょう。実はこんなのがあるとは初耳なので・・・。類似品は聞いたことあったのですが。胡散臭さが充満して、ネタの匂いがプンプンします。

とりあえずこのサイトから活性水素水の値段を見てみました。

日田天領水ペットボトルタイプ
(2リットル×10本セット)
価格:全国一律3500円(税別)
(この活性水素水のペットの写真を載せときます。画像直リンなのですが、ページへのリンクも張ってあるので直リン行為そのものではクレームされないでしょう・・・・それ以外できたらやだな)

2リットルのペットボトル一本で350円ですね。送料を差っぴいて300円てとこでしょうか。この手の商品にしては安い気がします。細君が一時期手をだしていたコントレックスと大差ないようです。しっかし活性水素って何? H(水素)が大量に溶け込んでる水ってことですか? 調べてみましょう。

googleで検索 活性水素

うぎゃー、という結果です。
久々に検索結果を見てひっくり返りました。
アドワーズ広告から検索結果の数ページに渡って、広告・売り込み・賞賛の山。これを怪しいと思わなくて何を怪しいというのでしょう。奇跡の水、とか、天然の活性水素水、とか活性水素水発生装置とか意味不明の売り文句が並びます。
適当にクリックしてみますが、どれも同じようなものです。どっかに活性水素について詳しく説明しているページはないものか・・・・
一応ありました。

活性水素は奇跡の水」
http://www.ssjfk.co.jp/katusei/suiso.html

一応活性水素についての考察はされています。どういう理屈で健康にいいのか・・・というか活性酸素を中和させるのか、というものですが。
まあ単純に言えば、活性酸素と逆の電荷を持っている原子なのだから中和するんじゃい、ということですが、マイナスイオン発生装置などど同類のようでどれだけ効果があるのかとかの具体的な提示もないですし、どのくらいの量があれば効果がある、ということへの言及はないですね。
一応トップページも確認してみましたが・・・・もういいです。

ちなみにウィキペディアでは、

活性水素水
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%BB%E6%80%A7%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E6%B0%B4

いわゆる「魔法の水」の一つである。

これはこれで言い切りすぎですね。一ユーザーの独善的な書き込みのようです。

そこで、あちこちの活性水素のページに登場する「九州大学の白畑実隆教授」を調べてみましょう。

GOOGLEで検索 九州大学 白畑実隆教授

あんま変わらんですね。白畑教授に言及したサイトに厳選されただけのようです。
これではしょうがないのでこの人の業績を調べるために九州大学のホームページにいってみましょう。

http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/agr_hp_date/d_nouken/staffindex.html
細胞制御工学の教授のようです。
論文の検索ができるページがあったので白畑教授で検索してみました。

電気穿孔法によるヒト型ハイブリドーマへの薬剤耐性遺伝子の導入-Introduction of Genes for Drug Tolerance into Human-Human Hybridomas by Electroporation- 立花宏文/白畑実隆/山田耕路/村上浩紀
動物培養細胞の増殖に影響を及ぼす因子に関する研究 I.増殖測定簡便法の開発とその応用−Study of Factors Affecting Growth of Cultured Mammalian Cells I. Development of a Simplified Method of Cell Growth Measurement and Its Aplication− 山田 耕路/村上 浩紀/西口 尚志/宗 正康/横山 文彦/白畑 実隆/篠原 和毅/大村 浩久
アドレナロン誘導体の質量スペクトル−Mass Spectra of Adrenalone Derivatives− 山田 耕路/村上 浩紀/白畑 実隆/大村 浩久

うーん、活性水素についての論文はないようです。論文の氏名記載順はその研究の主たる人物を指すので、見つかった論文は、二番目以降に名前が記載されている白畑教授の(独自の)研究ではないようです。これでは読んでもしょうがない。

ということでもう一度GOOGLEに戻って検索   活性水素 効果 量
研究結果を報告しているページを探すのが目的です。
http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/appendix/app18.html
ありました。ええとトップページにいくと・・・デザインは派手目でちとアレな気がします上に、随分と書き込みがお茶目すぎますが、れっきとしたお茶の水女子大学の物理学の教授のようです。
で、ここで白畑教授の論文のありかが紹介されてました。
http://www.bunseki.cstm.kyushu-u.ac.jp/B/b11.html ここです。
残念ながら取り寄せないと本文は読めないようです。
でもこのお茶目教授のサイトで詳細に検討されているので、これで我慢することにしましょう(本当は本文だけ読んでも理解できないだけ)。
ざっくりと私なりに白畑教授の論を読み取ってみました(無謀)。
「そもそも活性水素がその不安定な状態で水の中に大量に存在しつづけるためには水素吸蔵合金が必要で、これを金属ミクロクラスターとしている。で、この金属ミクロクラスターが体の中の活性酸素の還元作用に効果がある・・・・かもよ」
てなとこでしょうか。読み間違ってたらすまん白畑教授
この論文を論評しているお茶目教授は最後にこんな指摘をしてます。
(以下お茶目教授による白畑教授の論文を引用した記述)

この文献の別の意味での見所は、10節に、

 これまでの研究結果から、我々は飲料水を還元水と酸化水に区別することを提唱している、還元水活性水素を含むか発生させる水、活性酸素を消去する水、生命を酸化障害から保護する水、疾病を防ぐ水、エネルギーのある水、若返らせる水、古来からの水、生命を育む水と定義できる。一方、酸化水は活性酸素を含むか発生させる水、エネルギーを消費させる水、老化を促進する水、疾病を起こす水と定義できる。水道水はこの酸化水に分類できるであろう。

と書かれている点である。水の分類として、科学的とはとてもいえない。

ええと、門外漢な私でもこの論評は当然だと思います。とっても大学院の教授が書いたとは思えない文章です。お茶目教授のプロフィール欄も人のこと言えたもんじゃないですが、それはまあホームページ上のお茶目で済ませられますが、論文の文章としては素人目に見ても強引ですね。前後の文章がないので論そのものに否定も肯定もできませんが。

この富永教授(お茶目教授)のトップページにこういう記述を見つけました。

 「活性酸素が悪でありそれを消去する必要がある」というのは、一見わかりやすい説明ですが、そんなに単純なものではありません。我々の体内では、活性酸素を必要に応じて作り、いらなくなったら壊すしくみがちゃんとあります。また、空気中の活性酸素イオンを除去した状態ではマウスの寿命が短くなるという実験結果もあり、少量なら活性酸素に暴露されることが不可欠だという可能性もあります。過剰な活性酸素は確かに有害でしょうが、電解水にもし活性酸素消去効果があったとしても(ためしてガッテンでは否定する報道があったが)、過剰分だけをねらい撃ちにしてくれる保証はありません。

十分納得できる論旨です。

で、結局判ったことは・・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・
活性水素が身体にいいかどうかはまだ誰も証明できてないよ」
ということでした。


追記:後で気付いたが、こういう論文系を調べるのなら、ドメインに「ac.jp」で絞込みをしておけば早かったかも。

追記2:この日記が原因で「はてな」に迷惑がかからないこと・・・。もちろんこのサイトが削除されないことを・・・・。

追記3:http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/appendix/app18.html は御茶ノ水大の冨永教授の暗黙公認のサイトのようですが、文責はどうも同研究室にいらっしゃる天羽助教授にあるようです(すまんがその辺がすごく分かりにくいページなのだ)。このサイト、以前に「水商売ウォッチング」というコーナーで浄水器メーカーと一悶着あったらしく悪マニさんのところで取り上げられた経緯があります。後からいろいろ見てるうちに私もそういえば、と思い出しました。

追記4:元タイトルは「アドワーズ広告をつけてみた」でしたが、私がアドワーズ広告アドセンス広告をぐっちゃにしていたので訂正しました。googleの検索結果上に出てくるのがアドワーズ広告で、自分のサイト上に乗せられる形式になってるのがアドセンス広告です。