第二百五十六夜 ガードレール

question:1117769085

ガードレールに金属片が各地で見つかっているそうです。
もしこれが組織的犯行だとしたら、誰が何のために行っているのでしょうか?

question:1117769397

ガードレールの金属片。あなたが考える結末は?

 
はてなでも立て続けに質問が立ちました。
いったいなんなんでしょう?
というわけで今回はガードレールの金属片事件についての検索です。
 
そもそもガードレールとは? というところから出発しましょう。
http://www.mlit.go.jp/road/bougosaku/pdf/i01/03_genjyo.pdf
国土交通省のサイトにある「防護柵の現状について」という資料。作成がほぼ一年前ですが、まああまり変化のあるものではないのでおおむねこの通りでしょう。
これによると・・・・

防護柵は・・・・・交通安全施設であり、車両の逸脱防止の有力な方策の一つ
主目的は、①進行方向を誤った車両の路外逸脱防止
②車両乗員の傷害、車両の破損の最小化
③逸脱車両による第三者への人的被害、物的被害の防止
④車両の進行方向復元
副次的に、⑤運転者の視線誘導
⑥運転者への安心感の提供
⑦歩行者・自転車の転落や乱横断の抑制が機能である。
2.防護柵の種類
防護柵は、①車両を対象とする車両用防護柵
②歩行者等を対象とする歩行者自転車用柵の二つに区分できる。

と規定されています。
そして一般的なガードレールは単価:4500円/mとのこと。まあ国土交通省の発注値段だから実際の原価はこの半分から3/4といったところでしょうか。
 
検索してたらついでにこんなのも出てきたので補足。
http://www.asahi-net.or.jp/~hy2h-kmt/hk/photo/010128guard.html
世界一短いガードレール
・・
・・・
確かに意味ないなあ、これじゃ。
 
http://www.ukima.info/meisho/what/hodou.htm
北、の文字や 都のマークがあしらってある防護柵
 
http://secretary.blog.ocn.ne.jp/secret/2005/03/post_18.html
山口県の黄色いガードレール
 
確かに最初の国土交通省の規定では「白でなくともよい」とはされてますけどね。
http://homepage1.nifty.com/tadahiko/GIMON/QA/QA209.HTML
他にも緑や茶色もあるそうです。
 
http://www.dc.ogb.go.jp/nankoku/quiz/quiz_04.htm
世の中には木でできたガードレールもあるらしい・・・。
 
さて、前置きはこのくらいにしまして、金属片のニュースソースを当たって、何か発見がないか見てみることにしましょう。沢山でてくるのでちと早足で行きます。

http://mytown.asahi.com/fukushima/news02.asp?kiji=7175
朝日新聞のサイトで少し検証されています。(福島)
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2005/0604/nto0604_6.asp
東奥日報(青森)
http://www.373news.com/2000picup/2005/06/picup_20050603_11.htm
南日本新聞(鹿児島)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050604k0000m040155000c.html
毎日新聞(埼玉)
http://www.fukushima-minpo.co.jp/news/kennai/20050602/kennai-20050602095809.html
福島24(福島)
http://210.128.247.29/newsfile/view_news.php?id=5551
TKU News (熊本)
 
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050603k0000e040092000c.html
全国的な数値では・・・

各地の国道や県道などのガードレールの継ぎ目で見つかった金属片は3日、毎日新聞のまとめで47全都道府県の4200カ所以上に達した。金属片による事故は徳島県でも起きていたことが新たに分かり、けが人は4人に増えた。偶然が重なっているのか、悪意がこもったいたずらなのか、謎は深まるばかりだ。

 個所数は、数カ所から福島の580カ所までばらつきがある。東京都では、少なくとも計40カ所で破片が見つかった。金属片の長さは数センチ〜45センチ程度で、とがった刃物のようなものもあった。富山県では1カ所で、長さ約10センチのだ円形のプラスチック片が見つかった。各自治体などで調査が進んでおり、さらに増えるとみられる。

ということで、ついに全国津々浦々、どこでも確認されたとのこと(47全都道府県)。ということは沖縄でも発見されているということになる。だがその分布は随分と偏っている。(単に見つかってないものもあるということかもしれないが)
特徴をまとめてみました。
金属片はおおむね、
・10センチ前後の大きさ。
・三角形の報告の例が多い上にネット上の写真でも三角形のものがとりわけ多くUPされているが、形状そのものは多種多様のようである。
・ガードレールの繋ぎ目、またはボルトに挟まるような形で取り付けられている(または偶然挟まっている)
・元の素材となったものは不明。車の部品やガードレールそのもの、道路標識の破片であることもあるが、分析はこれから。鉄製であることが多い。
・刺さっている向きは様々、中にはガードレールと垂直に刺さっているもの、車の進行方向とは逆向きに刺さっているものもある。
・いつごろから刺さっていたかは不明。サビや苔の付き具合から、かなり以前からのものも多い
・特に報道されているわけではないが、おおむね、人の通りが少ない山間部や田畑の中で発見されている例が多い。

その中で、興味深い記事を発見http://www.sankei.co.jp/edit/kenban/saitama/050531/kiji02.html

また、ガードレールのつなぎ目のすき間は狭く、普通では金属片を差し込むことができない。近くの複数のボルトをいったん緩めて、金属片を挟み込み、再び締めなおした可能性が高く、捜査員は「取り付けるのに、相当手間ひまをかけたはず。目撃情報などがあれば、是非提供してほしい」と協力を呼びかけている。

といった、「人為説」を裏付けるような例もある。
 
その説もさまざま。
・宗教団体や各種団体の陰謀説
・宇宙人説(?)矢追さんを久々にテレビで見られるかも。
・交通事故説(車の部品が残った)
・いたずら説
・ネットなどでの呼びかけ説
・・・その他多数
 
だがどの説でも完全に納得がいくわけではない。
ネット説といってもそういう呼びかけがもし、どこかであったのなら、もうそろそろそのネタ元が判明、もしくはめぼしいところが挙がってきていないとおかしい。
いたずら説をとるにしても、あまりにも範囲が広域すぎて一部の子供のいたずらとは考えにくい。
交通事故説にいたっては「バックでぶつからない限りありえない」刺さり方をしている金属片も見つかっている。
宇宙人説は・・・まあ専門外なので置いておくとして・・・。
 
一番可能性が高そうなのがそれらの複合説。
そして発見がこれだけ一斉になったのは、道路管理の行政のまずさが原因ではないか・・・という風な世論に流れそうです。
 
あとこれだけの情報では分からないですが、明らかに事故でついたと思われるものを除いた金属片の設置分布図を作成すると面白い絵が出来上がるかもしれません(暗号が浮かび上がるとかいうのじゃなくて)。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0718.html
こういうのとか
http://www.konishi.co.jp/html/fujiyama/zouni/zouni/zouni_map.html
です。
 
そしたら、子供社会とか、ヤンキー社会とかの情報伝達の不思議さが解明されるかもしれませんね。(僕はいたずら説を推します)
 
 
ただ現段階で、ひとつ確実なことがあります。
 
 

もし年末までに解明されなければ、大晦日のテレビタックルで格好のネタにされることでしょう。多摩出版の社長が吼えそうだ・・・。あ、それは毎年か。