第二百九十一夜 必ず一度は見るべき人力検索のまとめ alpinix選 其の一

 


 
 
人力検索の話をしよう。
 
今をさかのぼること九年弱前、2001年夏のことだ。
当時検索といえば、OKWeb教えてGooが先行サービスとして同系のサービスを開始してはいたものの、まだまだ自力で検索サイトをブラウジングして探す方法が主流だった。
 
そもそもOKWeb教えてGooが知識を問うサービスとして開始したのに対し、人力検索はてなは明確に「回答となるURLを探す」ことを主眼として開始され、他のサービスとは一線を画していた。その後URL必須の特性はシステム改変に伴い廃止されるが、その血は脈々と今も伝わっていて、同系のQAサイトに比して、URLを問う形式="検索技術を要求する質問"が多いのが人力検索の特徴だと思っている。
 
キーワード人力検索ではalpinixはその定義の中に、

人間の手による情報提供のため、時間・精度に問題はあるが、通常の検索では見つからない、または時間がかかるものが見つかる場合も多く、また利用方法によっては検索以外の情報を得る手段として注目されつつある。

と書いた。(他の有能な編集者の手が入っているので、現時点では微妙に言い回しなどが変わっているかもしれない)
いみじくも、それを証明するかのように人力検索はてなでは「単純なweb検索の役務代行」に留まらない、数々の名質問・名回答が生まれた。幕府を開く云々、の書籍のタイトルにまでなったクダンの質問なんかはその典型だろう。
 
閑話休題、今回のお題はalpinixが選出した一度は見るべき人力検索の質問を紹介するのが目的です。一ユーザーが選出したものなので偏りはあるし、選出することそのものにも賛否両論・異論反論・異口同音などなどあると思うが、それも含めて論争でも起こってくれれば逆に望外の幸せだ。

 
余談だが、タイトルの後ろに其の一としたのは、ざっと調べたところで「これは一回では収まらん・・・」と弱気なった心意気の表れであり、多分其の二に続きます。
 
それでは、検索を始めよう!
 
 
■一品目はベタで恐縮だが人力検索の記念すべき最初の質問
オークションのプログラムの作り方について教えて下さい。
これ、回答者がjkondoなのだが、質問者のIDが未だもって不明。恐らく中の人だとalpinixは踏んではいるのだが確信が持てていない。何はともあれ記念書き込みや記念スターなど、みんなが足跡を残す「駅前の記念撮影用銅像」的なモニュメントになりつつある。 
人力検索を続けるのなら、一度は目を通しておきたい逸品だ。
 
■二品目はショートタイプだが、白熱感のある質問
今朝やかんをガスにかけたまま出てきてしまいました。これはどれくらいやばいですか。(携帯非対応ページ可)
オープンのしかたがめちゃくちゃだったり、返信用コメント欄の書き込みが淡白だったりとかなりの臨場感のある質問となっている。
コメント欄の「ホッ」連発はウォチャー達の、素直な感想だろう。
 
■三品目はこれ、あえて、回答指定で。
【予算5,000〜10,000pt情報が良い&多ければそれ以上も】東京23区武三地区で、タクシーの営収につながる情報を教えてください・時間帯、曜日別で流し営業のコツや具体的に流すエリア・時間帯、曜日別で比較的流れる、台数が少ない、客が付きやすいツケ待ちの場所・その他営収に繋がる情報があればどんな小さな抽象的〜具体的情報を ブレーンストーミングのように何でも教えて下さい私は平日池袋、新宿、渋谷周辺を営業していますが、特にエリア等は限定しません収入に直結し、業界的にも貴重な情報のため、高額なポイントを用意しましたこれでも安過ぎるくらいだとは思いますが、この質問がここを見ている“一部の”現役ドライバーが生き残る情報になるのではないでしょうかインターネット上に存在する情報は個人の日記が殆どで、検索での限界を感じここに質問してみました出番の日に実際に営業して確認もしたいと思います。気長に回答を待ちます

http://q.hatena.ne.jp/1128408219#a417786
回答ポイント3000、イエロースター280は伊達ではない(それでも過小評価では? と思わせる逸品だろうことは誰も異論ないはず)。
元はalpinixもここで紹介されたのを見て知ったのだが、3000でも安いんでは? という突っ込みにさもありなん、と同意した。
http://q.hatena.ne.jp/1255245060
 
兎に角読め! それから判断してくれ、という乱暴な紹介で十分な良回答だろう。
 
■四品目はネタ系質問から、
【ネタ】XPとMeで喧嘩してみて下さい。一番面白いのに500Pt差し上げます。この2つのOSは、コアユーザには割と不評なようですが、どのヘンがダメなんでしょうか。2者に人格を与えた設定で、互いに短所をあげつらって口喧嘩してみて下さい。1) オリジナル一本勝負 ネタの重複は、構成でカバーして下さい。2) 互いの特徴が解れば、あとのキャラ描写は、OSたんみたいのでも、何でもいいです。3) 実の所どの辺がダメなのか私が知りたいんだが、ただの解説を読むのは肩が凝るんで、笑かして下さい。 という趣旨。4) 小咄としてちゃんとオチてるか否かが評価の分かれ目。5) 長文上等。6) 趣旨が尊重されてれば、多少の脱線上等。7) 出版・放送コード関係は、はてなに削除されない程度で(笑い)。8) 面白いのは私のダイアリーhttp://d.hatena.ne.jp/hogemoge/で紹介する場合があるのでご了承ください。なんか面倒臭そうな注文なんで とりあえず500ptとしましたが、割と反響があるようなら1000pt位出す用意はあります。ペースを睨みつつ、適当に締め切りますんで、よろしくおねがいします。
「仮想喧嘩」という一つのジャンルを人力検索は生み出したといっても過言ではない。これ以外にもネタ系質問では「はてなの○○さん」など数々の名物シリーズが存在する。ひとつのネタ(お題)をユーザーが持ち回りで楽しむ、という習慣が人力検索では根付いているが、一部常連ユーザーに固まりすぎるキライはあるものの、はてな中興の立役者は紛れもなく、これら「固定ネタ」質問を回して来た常連ユーザーだろうことは疑いの余地はない。
はてなの○○さんについてはこちらを参照)
 
■五品目は記憶にやや新しいところから、私の一押し。
博士がその数式を愛した理由
コメント欄が荒れたのが残念だが、それだけに人力検索の可能性と限界の両方をalpinixに教えてくれた、ある意味人力検索の素養がすべて詰まった質問だと思う。あまりの荒れっぷりに、alpinix自身が矛先を変えようとコメントを挟んでいる形跡が伺えるが、まったくもって、焼け石に水、路傍の石、ガイアのドム状態だった。
 
自戒の意味も込めて、この質問は時々見返すようにしている。
余談だが、この質問を受けて、自分でも同様の質問を投下したことがある。あまり反響がなく、目論見の甘さを認識する結果となったが今ではいい思い出だ。http://q.hatena.ne.jp/1134477687
 
■六品目は創作系から一品
ナポリタン系を自作したので謎解き募集。12/31オープン。 「真っ暗な部屋と白いラジオ」 アキコは真っ暗な部屋の中に、静かに座っていました。 アキコはラジオを聴くのが好きでした。 アキコの生活は単調なものでした。 ラジオだけが楽しみだったのです。 3日に一度、細く白い女性の手が、一瞬、扉を開きます。 彼女はいつもラジオの音量を調節していました。 そしてすぐに扉は閉じられてしまうのです。 音量が適切だとアキコが思ったことは一度もありませんでした。 アキコは、不思議に思いました。 白くて大きな木製のラジオは、何かが変でした。 考えれば考えるほど、アキコは奇妙だと思いました。 そのラジオが音楽を鳴らすことは、決してなかったからです。 でもアキコが生まれてからずっと、それは繰り返されていました。 とりとめもないつぶやきと、変な叫び声が聞こえるだけ。 ある日、3日たっても、扉が開きませんでした。 なぜ? とアキコは思いました。 4日目に扉は、黒い手で開かれました。 ついにアキコは、あっと気づきました。 それがアキコが最後に見たものでした。 アキコがラジオと思っていたものは、ラジオではなかったのです。
その後、lionfanさんの代名詞ともなった「謎」系の質問の最初かと思う(これより前があったら教えて下さい)。
lionfanさんは現在に至るまで「謎」系を質問を継続して投下されており、これを書いている時点でも最新verが注目質問に挙がっている。それだけでも驚嘆に値するのだが、氏の質問作成能力の高さはそれ以上で、色々と参考にさせていただくことが多い。
 
あくまでalpinixの推測だが、論理系パズルをやらせれば恐らく人力検索随一ではないだろうか?
 
■七品目は僭越ながら自分(alpinix出題)のものから一品を紹介
あなたが人力検索はてな(またははてなダイアリーやアンテナ)を利用することによって起こるであろう、社会的影響を述べてください。回答の形式としては「風が吹いたら桶屋が儲かる」的な四段、五段、六段論法のような形式でお願いします。根拠を示すサイトを提示いただければ尚よいですが、ダミーURLで回答者独自の理論でも構いません参考:風が吹いたら・・・の説明があるページ→ http://www3.coara.or.jp/~seableam/kaze.htm(ページ作者は自信なさ気ですが、これで合ってます)
これを投入した当時は、人力検索も活気があり、人力検索繋がりで複数の有能なダイヤラーの方と仲良くさせていただいていた。その縁もあってか、この質問ではいくつもの良回答をいただくことができ、大変満足できた記憶が今でもありありと残っている。そういうQAサービス単体の枠を超えたつながりを持てることが、人力検索が他のQAサービスとは違う点だと常々考えている。この質問から少しでもそういう空気を感じてもらえると嬉しい。
 
もし人力の時計を戻せるぞと言われたら、この時代に・・・いや、よそう。
 
■八品目は個人的な思い入れもありこちら
皆さんの知っている綺麗な言葉を教えてください。 文字の並びが綺麗なもの。 響きが綺麗なもの。 引用の場合は、できるだけ出典を明らかにしてください。 ちょうど良いURLが見つからない場合は、ダミーでもかまいません。 古語の場合は、意味も添えていただけると助かります。 この質問は日本語に限りませんが、 外国語の場合は綴りと共に、 発音をカタカナで示していただけると助かります。 長文もO.K.です。 説明が長くても、大丈夫です。 逆に単語のみを書かれると、すこしがっかりします。 ゆっくりと開けていくつもりなので、 あせらずに、答えてください。
質問そのものはすごくシンプルなのだが、回答の集まりかたが半端ではない。当時は質問が一週間経過しクローズしなければ、もう一回トップページに戻ってきて、はいもう一周! というルールであった。そのため、良回答を延々と求める場合は二週間目まであえて引っ張っていくという手法が取れた。
質問者の方が最近元気な無いようなのでエールを送る意味でもここで紹介したい。
 
■九品目はご存知の方も多いとは思うが、魔女っ子質問
【今年の目標】  25歳女性です。  今年こそは念願の魔法少女になりたいです。  私が今年中に魔法少女になれる方法を教えてください。
質問者の方はつい最近、別の系統の質問をされ、健在していることを確認できた。(質問内容を見る限り残念ながら未だ魔女っ子にはなれていないようだったが)恐らくこの質問は質問者には不敬に当たるかもしれないが、25歳女性でかつ少女、というぶっちゃけ有り得ない組み合わせ、そのアンバランスさ(図図しさともいう)が回答者たちのハートを鷲掴みにしたのだと思う。
 
恐らく狙ってのことだと思うが質問者のセンスと敢えて自虐ネタを晒した根性を素直に賞賛したい。
 
 
 
 
さて、一息に九品を紹介してきたが、紙面の都合もあり、其の一はここまでとしたいと思う。
また次回、今度は今回は上がらなかった理系質問も含めて紹介したい。
 
 
 
 
 

追記:どこかで書いたが人力検索はあくまで「質問ありき」のサービスだとalpinixは常々考えている。今回このような紹介記事をエントリーした意図は、alpinixのことをご存知の方ならよくお分かりかと思うが「良質問を増やす」ことだ。
 
このエントリはalpinixを含めた過去の質問者たちからの挑戦状と言ってもいい
 
これ以上に面白い質問、あなたなら作れるかい?
 
 
 

なぜ質問をするのか? その答えは、知的好奇心はすべてに勝る快楽だと知っているからだ。 

 
 
 
 
 
 
追記:関連質問というか、次のネタ探しを兼ねて投下してみた。
http://q.hatena.ne.jp/1274834850

第二百九十夜 アジアとヨーロッパ 東洋と西洋


 
http://q.hatena.ne.jp/1271581255#a1010151
meeflaさんお疲れ様です。興味深く質問を見させていただくと共に、この質問を読んでいるうちに古い記憶がよみがえってきたのでエントリすることにしました。

それはアジアとは? の問いかけです。
俄然この分野は萌え燃えます。
 
meeflaさんの回答やリンク先にも色々と出ていますが、アジアという語は「東」を意味する言葉でヨーロッパから見た東の方を指す、本来はあいまいな語でした。元々は現在の小アジア=トルコ/アナトリア辺りを指すものでした。
 
似た言葉にオリエント、オクシデントがありますが、こちらは「日が昇る(方)」「日が沈む(方)」を指す言葉で、日を見ている主体は古代ローマ人でした。こっちは探せばソースはいっぱいありますね。
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&source=hp&q=%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%AF&aq=f&aqi=g-m1&aql=&oq=&gs_rfai=
 
一方、アジアの主体(東の方と認識している主体)は私の記憶が確かならば古代ギリシア人なのですが、(ギリシアから見て東の方をアジアと呼んだ)どうもソースが見つかりませんねー、無理やりさがしたところ・・・・ありました。
http://www.hokuriku-u.ac.jp/ieas/column/02.html

そもそもAsiaとは、古代ギリシアで生まれた概念であり、Asu(日、出ずる処)を語源とし、Erebu(日、没する処)から派生したEuropeの対概念である。つまり東アジアとはギリシア、ひいてはそれを母体とするヨーロッパ文明の世界観において、東方の最果てに位置づけられるものであり、

意外と僕の知識も錆びてないようで一安心です。

その後、ヨーロッパ人の知りうる東の地域がアレキサンダー大王の東征からインド、中国までひろがっていったのですが、頑固な彼らはそれら全てを自分たちから見て東にあるのだから「アジア」と呼んだのです。そのため「アジア」と呼ばれる地域がとてつもなく広大になってしまったというお話。
加えて、元々アジアと呼んでいたトルコ/アナトリア地方をどう呼べばいいのか、困った彼らは頭に小をつけて「小アジア」、後から見つかった広大なアジアを「大アジア」と呼んだそうです。(今では大アジアという呼称は絶滅しているようですが)
 
 
で、この話に関連して東洋と西洋の話も思い出しました。若き日の私が「東洋史概論」(だったと思う)で〇〇教授(教授の名前は忘れたが講義の中身はとてもよく覚えている)の講義で教えてもらった記憶です。なぜか東洋・西洋の講義の日の光景だけは教室の混み具合まで含めて鮮明に記憶しています。
 
それは東洋、西洋という呼称にはアジアやヨーロッパとは違い、ちゃんとした名付け親がいる、という講義内容でした。(wikiではヨーロッパの名付け親はヘロドトスと書かれているが"要出展"扱いになっている。私もヘロドトス命名説は聞いたことが無いのでここでは敢えてスルーしました)。
 
その話を書く前に検索で東洋、西洋の名付け親の話の裏取りをしてみようと思ったのですが・・・ばっちりなのがありません。
http://blog.canpan.info/fukiura/archive/2211

 明時代の中国で布教し、
欧州文明との交流にも努めたマテオリッチが
『坤輿萬國全圖』(1602年)で
「西洋の大きな海」といった意味で「大西洋」と用いたのが始まり
という説と、
大アジアを意味する大東洋に対する大西洋が
海の名前になったという説がある。

http://library.pref.oita.jp/reference/case/oita/a_014.html

“坤輿万国全図”の特徴はヨーロッパ製の世界図をもとにしながらも、大西洋を中心とせず、太平洋を中心にし、中国が図面の中央近くにくるようにしたこと、中国人に理解されるように図中のアルファベットをすべて音訳して漢字で表記した最初の世界図であることです。地名や地理学用語の漢字表記は日本人の海外知識の普及・向上に大いに貢献しました。

 
マテオリッチが原典ではないだろうか、という記述は多いのですが、なぜ後世まで残る「大西洋」という記述が現れたのか、といった記載をしているサイトがどうしても見つかりませんでした。
 
というわけで仕方がないので、以下私の記憶(かなり正確だと思う)の中の〇〇教授の講義内容です。
 
マテオリッチはイエズス会宣教師として布教活動のため明王朝に入り込みました。彼は中国の文化を取り込みながら、西洋の学問や技術を伝える活動を行っていきます。その一環として中国に世界地図の概念を示した活動、それが『坤輿萬國全圖』です。
 
当時マテオリッチら西洋人が使っていた世界地図はヨーロッパが中心に描かれていました。当然ですね。
でもそれをそのまま翻訳して紹介したのでは中国は受け入れてくれない(出版の許可がおりない)と考え、彼は中国を中心にした地図をつくりました。
 
中国はその名が示すとおり、自分たちの住む国が世界の中心であるはずという強い自負を持っていたのです。
 
中国を中心に描くことで、洋、というキーワードが生まれてきます。私の記憶では、マテオリッチは洋を海として使用しています。
 
彼は、中国の東の海に「小東洋」西の海を「小西洋」と名づけました。
小東洋が今でいう東シナ海あたり、
小西洋はインド洋あたりに記載されています。
 
そして大東洋が北アメリカ大陸の沿岸あたり、さらに大西洋が・・・・もうお分かりですね、ヨーロッパの西の海に名づけられました。
 
つまりここでいう大とか小は中国からみた「距離」が小なのか大なのかに拠っています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E5%9D%A4%E8%BC%BF%E8%90%AC%E5%9C%8B%E5%85%A8%E5%9C%96.jpg
マテオリッチ以前にも、中国から見た東の海を東洋、西の海を西洋と呼び習わしめる習慣はあったようですが、それに大、小を冠してこの海を「大西洋」「大東洋」と名づけたのは彼が最初、ということだったということなのです。
  
その後、西洋、東洋という言葉は海ではなく、アジアやヨーロッパと混在して使用され、地域をあらわす言葉に変化し、唯一「大西洋」のみが日本で海の名前として生き残った、ということだったと記憶しています。
 
・・・・でもソースが見つからないのよね。
 
せめてこの講義をした教授の名前だけでも思い出せればなあ。
 
 
せめて状況証拠だけでもないかと、1602年当時の明の皇帝が誰だったか調べたところ・・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E6%9A%A6%E5%B8%9D

万暦帝 朱翊鈞

14代皇帝

王朝 明
在位期間 1572年 - 1620年
都城 北京
姓・諱 朱翊鈞(よくきん)
諡号 範天合道哲粛敦簡光文章武安仁止孝顕皇帝
廟号 神宗
生年 1563年
没年 1620年

こいつかな? こいつにマテオリッチが「この地図発行していいっすよね? ね?」とオネダリしたに違いない!
・・
・・・
と思ったら、こんな記述が。

後半生では25年にわたって後宮にこもり、朝政の場に全く姿を現さなかったという。

あれ、おかしいな、皇帝仕事しないで引きこもってるじゃん(1602年当時)。
 
教授、もしかして仮説を講義で使いました? 
 

 

今週のお題「イヌ好き?ネコ好き?それ以外?」

次男はわんわんが大好きで、公園でわんわんを見ると怖がらずに寄っていって「わんわん、わんわん」と言いながらナデナデしようとします。
 
ただし次男は犬を見ようが、猫を見ようが、象を見ようが、四速歩行の生き物を全て「わんわん」と呼んでますけど。
 
 
 

第二百八十九夜 はてな文庫の100冊


 
いきなり嫁が読書に目覚めました。
「某音羽文庫の100冊から2冊選んで買ってよ!」
変な指定です。 
「某音羽社文庫の100冊? 某神楽坂文庫の100冊じゃなくて?」
僕の世代にとって○○の100冊といえば、まっさきに思い浮かぶのはそちらです。漱石やヘッセなどお堅い文庫が並んでパンダが手招きするアレです。
それはおいておいて嫁の指定する方の100冊を見てみることにしました。

http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/fair.html

今をときめく、村上春樹や、東野圭吾が3冊ラインナップされているのはいいとして
・・
・・・
西村京太郎に並んで西尾維新とか舞城王太郎とかが入るんだ! 100冊に。
別に嫌いなわけじゃないですよ(既読の2冊です)。100冊のフェア文庫って普段文庫を読まない人に向けてのものなんでは? 
そういう人たちに維新とか舞城ってハードル高くないですかね〜。
 
ということで今回は100冊の色々です。
wikiによると新潮が100冊の企画を始めたのは1976年から。(それまでも同様の企画はあった)
2009年版の公式サイトは過去の100冊を全て網羅したかなり凝ったものになっています。

公式サイト
http://100satsu.com/

公式サイトではないのですが、かなりくわしいファンサイトです。(wikiから外部リンク貼ってあるくらいなので相当です)
http://www.geocities.jp/technopolis2719/9810sin.htm
こんなお宝まで現物保管していらっしゃるようです。
http://www.geocities.jp/technopolis2719/sin_n1.htm

「新潮文庫」夏の新聞広告(1)
(左から1961,62,63年)

この人にとっては100冊の文庫を集めることだけではハードル低すぎるんですね。

100冊の走りは新潮社で間違いないと思いますが、派生にどんなものがあるのかぐぐってみることしました。

角川文庫 夏の100冊
私の1冊 日本の100冊
文春文庫 秋の100冊
岩波文庫 100冊
ハヤカワ文庫の100冊
文春文庫 秋の100冊
東大教師が新入生にすすめる100冊
中学生にすすめたい100冊の本(三省堂)
使える経済書100冊(出版物)
立花隆選の100冊
長門有希の100冊(収集不能)
講談社 書き下ろし100冊
羽生 善治氏、竹田 和平氏、北原 照久氏ら人生の達人が語る、幸せの成功物語「100冊の本」http://www.100book.jp/

中にはこんなのも

角川グループ合同ライトノベル春の100冊フェア 勝手に国民ライトノベル読書年宣言!

http://www.kadokawa.co.jp/haru100/
(↑角川ラノベの表紙が100冊並ぶのでリンク開くときは注意してください。)
・・・どうでもいいが、この100冊の選考方法雑だな。(同シリーズが大量に入っていて、同シリーズでも各1冊でカウント)

この中で目を引いたのが、NHKの

私の1冊 日本の100冊

http://www.nhk.or.jp/book100/

はてダで過去によく行われた「はてなダイアラーが選ぶ○○百選」に通じるものがありますが、やることが重厚です。
安藤忠雄の翌週に押切もえをもってきた懐の深さがいいですね。

二人のコメント
安藤忠雄「物づくりに必要なのは、思いの深さ、魂。私はそのことを“のっそり十兵衛”に教えられた。」
押切もえ「本は一冊の旅」
・・・人選ミスじゃない?

初回放送は2008年ですが今年も4月からBS2で再放送されるとのことです。
 

さて、嫁の読書熱が冷めないうちに音羽文庫から2冊をチョイスすることにしました。
私「取りあえず伊坂とかは? 読みやすいし」
嫁「持ってる?」
私「ああ、あるよ」嫁「次!」私「?」
・・・・・・
嫁「東野圭吾とかよくよんでたよね」
私「ああ、文庫に落ちてるのは多分全部持ってるよ」
嫁「じゃあだめか」
 
何がしたい? どうやら不純な動機がそこはかとなく見えてきました。
 
「えっとね、これが欲しいの」

どうやら2冊の文庫を買ってというのは、
買うのは僕
読むのも僕
嫁はフェアの帯だけちょーだい!
ということだったようです。
 
 
「桐野のOUT上下買っとけ!」(多分ムーミンからは100万光年離れた異世界の話)
 
講談社も罪なフェアをよくやりますね。そもそも景品がムーミンなら100冊の中に関連書籍いれとけって突っ込みたい。
地の果てまでも突っ込みたい。
 

こんなんで一般書籍の読者層は増えないと思うんです、
いい実例がここに一家族。
 
 

追記:「人力検索の100質!」とかがあると楽しいし、初心者にも優しいと思うのだけど。
まあ、順当にオールタイムベストでいくと魔女の質問と幕府は外せないのかな。
今、はてダでリレーやったら繋がるんだろうか。
 
 
 

今週のお題

「この春、買ったもの、欲しいもの」
携帯の機種変が"買ったもの"に当たるのかどうかはこの際置いておくとして(他にこれといって買ったものも欲しいものもない・・・)1世代前のEXILIM携帯CA004を最近購入。

ずっとカシオ製品を使い続けていて、そのインターフェースに馴染んでしまった僕は他のメーカーのがどれだけ薄かろうと、防水だろうと、少々安かろうと、仮にネットでの評判は多少悪かろうと・・・携帯といえばCAなのでした。
 
カメラ携帯という意味では重宝してます。所詮は携帯用カメラのレンズなので明るさが絶対的に不足なのですが、条件さえよければそこらのコンデジには負けない写真が撮れます。
デジイチ持ち歩くのが億劫なときなんかは特に重宝します。
あとこれがあれば通勤中にハイク更新なんかも手軽にできるのが気に入ってます。
 
(1週間使ってみて白飛びが酷いのだけはなんとかならんかな、とは思うけど)

第二百八十八夜 あんどうさん、あんどうさん、出番ですよ

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2716437/5583042
任天堂とグーグル、「検索結果数」競うゲームを共同開発
 
http://www.asahi.com/digital/pc/OSK201004060157.html
任天堂とグーグル、ゲームでタッグ Wiiで検索数予想

 任天堂は、インターネット検索世界最大手の米グーグルと初めて共同開発したWii向けゲーム「安藤ケンサク」を29日に発売する。グーグルも参入する多機能携帯電話とニンテンドーDSがゲームやネット接続の市場を奪い合う中、業界の「巨人」同士が手を結んだ形だが、今後の提携拡大については「全く未定」(任天堂広報)という。

 ゲームの中心になるのは、ある言葉がインターネット上でどれだけ使われているかを示すグーグル検索のヒット数(検索結果)。「大阪名物」と「東京名物」など二つの言葉のどちらが多くヒットするかを予想したり、様々な言葉を組みあわせて検索し、ヒット数を競い合ったりして遊ぶ。最大4人で対戦できる。

 Wiiをネットにつなげばグーグルの最新データを取り込むため、同じ言葉でも日によって結果が違うのも楽しみの一つ。2008年に開発着手を発表して以来世界から注目が集まっていたが、当面は国内のみでの販売となる。希望小売価格は税込み4800円。

 

暫く人力検索への提言系のエントリばかりしていましたが、そちら経由の来場が落ち着いてきたようなので、ようやく本来の「〜検索千夜一夜〜」を再開しようと思います。こういう地味ーなエントリーを重ねるのが本来の趣旨なので「人力検索を辞める日」関連の記事を期待されている方はご容赦を。
 
さて、表題の記事、任天堂Googleと組んで何やら「検索」をベースにしたゲームを発売するとのこと。私にはどうみてもTV番組の「検索ちゃん」を下敷きにしているとしか思えない。

 

元々のタイトルは「ケンサクス」だそうで、こちらは恐らく"検索する"という動詞を変形させたものと思われます。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:aaR62rBsU4IJ:n-wii.net/soft/eid2611.html+%E5%AE%89%E8%97%A4%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%AF&cd=10&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
それが発表の段階になって「安藤ケンサク」という突拍子も無い(というほどではないか)ネーミングになった模様。
 
これを見た全国の安藤さんが買いに行くことを狙ったのだろうか? 
そもそも開発スタッフに安藤さんが混じっていたのだろうか? 
何故に安藤なのかを調べることして、まずはオフィシャルサイトを見てみました。
http://www.nintendo.co.jp/wii/rk3j/index.html

・・・
・・・・
あっさり解決しました。よく見ると「and kensaku」と書いてあるので、検索エンジンで使う方法の「&検索」をもじっただけのようです。
 
ただ折角なので安藤さんの全国シェアも調べてみることにしました。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~suzakihp/index40.html
こちらによると71位の55515世帯なので、全国に10万人くらいはいるってことでしょうか。 (更新:2010/01/01データによります)
 
たしか苗字に藤がつく人は元をたどれば「藤原氏」だと聞いたことがあります。
http://blog.livedoor.jp/hiroharu825/archives/906225.html

安藤氏(あんどうし)安東
奥州の名族安倍氏が藤原氏と同化して安藤を称した、
安倍仲麻呂の後裔安倍朝任が鳥羽院から藤原姓を賜り安藤にした、
安芸国守護の藤原氏が国名をとり安藤を名乗ったという説がある。

安倍貞任の子孫と伝える相馬三春藩主秋田氏はかつて安藤氏を名乗っていた。
駿河安藤氏を流れをくむ紀州田辺藩主安藤氏、陸奥磐城平藩主安藤氏が有名である。
その他にも伊勢北畠氏族、清和源氏村上氏族、清和源氏新田氏族がある。

だそうです。
 
安藤さんを狙ったにせよ、そうでないにせよ、製品に一般的な苗字を入れるのは上手い手です。本人じゃなくても安藤さんくらいメジャーな名前なら大抵の人は一人くらい知り合いがいるはずですから、一瞬ドキッするのものですからね。
 
少し前の某プリンタメーカのCMに「総務の○○さん、好きです!」と菅野美穂にしゃべらせる反則技なものがありましたね。
僕の苗字はカスッテもなかったのですが、アレはどきどきしました。苗字が同じ人ならびっくりしたことでしょうね。
なので菅野美穂のアテレコで、自分の苗字でしゃべってくれるツールつくってみたらネットで流行りそうですね。(ネスカフェゴールドブレンド大沢たかおのやつみたいに)
 

実際の検索画面も出ていて、だいたいどんな感じのゲームかは分かりますが・・・これ流行るのか? とちょっとドキドキしてしまいますね。 
 
ちなみにこのダイアリ〜検索千夜一夜〜は「検索ちゃん」より前からやってますので、ネタ的にパクリではないです、はい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93