第百十七夜 ユビキタスの世界

alpinix2004-06-17

何の因果か、某IT企業の全国向け展示会につき合わされ今週は名古屋に行ってきました。来週は大阪です・・・(泣)。まああんまし新しい話題のない時期で、基調講演(外に立ってただけなので何を講演していたかは実は知らない・・・)には、やはり今流行りのユビキタスが話題にでたようです。ユビキタス・・・なんだか日本人が聞くと未来警察ウラシマンのジタンダの台詞っぽくてちっとも格好良くないですね(古すぎか?)。
話題の単語の割にはイマイチ一般には広まってない造語だと思うのですが・・・調べてみました。

googleで検索 ユビキタスとは

なんだかあっちこっちでとりあげられてます。「○○とは」検索でこんなにバッチリの内容のが大量にヒットするのは珍しいです。大まかに拾ってみました。

http://www.fri.fujitsu.com/hypertext/fri/cyber/hotkey/ubi/ubi.html

ユビキタスの語源はラテン語で、いたるところに存在する(遍在)という意味。インターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を指し、ユビキタスが普及すると、場所にとらわれない働き方や娯楽が実現出来るようになる。「ユビキタス・コンピューティング」、「ユビキタス・ネットワーク社会」のようにも使われ、「パーバシブ(pervasive)・コンピューティング」ということもある。ユビキタス・コンピューティングは、メインフレーム(複数で一台を使用)、PC(一人一台)、に続く、一人が複数のコンピュータを使う第3世代を示したもので、マーク・ワイザー氏が提唱した。アクセスに使う端末は、パソコンや携帯電話に限らず、冷蔵庫や電子レンジといった家電製品、自動車、自動販売機等もインターネット接続され、ウェアラブル・コンピュータと呼ばれる身に付けるコンピュータも開発中

http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/6283.html

空気のように、あたり前にコンピュータのある社会を

 これからのコンピュータやネットワークのめざす方向として、「ユビキタス」という単語がよく言われるようになってきました。ケータイ方面でも、たとえば「すべてのナレッジが携帯電話から取り出せる『ユビキタス』社会の実現へ」といったように語られることがあります。
ユビキタス」あるいは「ユビキタス・コンピューティング」は、ゼロックスのパロアルト研究所の故マーク・ワイザー(Mark Weiser)氏が提唱した概念で、「利用者がどこに移動しても、同じような性能の計算機の能力を利用できる環境」を指しています。“コンピューティング”とは言っても、パソコンやPDAのようにコンピュータらしい姿のものがあるのではなく、日常使っているいろいろなものにコンピュータが入っていて、その能力を提供する、というコンセプトです。

http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/ubiquitous.html

ユビキタス・コンピューティング / ユビキュタス・コンピューティング
Ubiquitous Computing / UbiComp
 米ゼロックス パロアルト研究所のマーク・ワイザー(Mark Weiser)氏が、「メインフレーム」「パーソナル・コンピュータ」に続く第3世代のコンピュータ利用形態として、1988年に提唱したコンセプト。縮めて“UbiComp”ともいう。 ユビキタスとは、ラテン語の“ubique=あらゆるところで”という形容詞を基にした、「(神のごとく)遍在する」という意味で使われている英語で、ユーザーにとって目に見える形でコンピュータの筐体が存在せず、「人間の生活環境の中にコンピュータチップとネットワークが組み込まれ、ユーザーはその場所や存在を意識することなく利用できるコンピューティング環境」をいう。 (中略)またワイザー氏は、ユビキタス・コンピューティングを語る際に「見えない」(invisible)ことを強調しており、その究極的な姿は「区別がつかないほど日常生活に織り込まれる」と説明している。

http://www.toshiba-tie.co.jp/mobile_wireless/ubiquitous/what_yubikitasu.html

ユビキタスとは、「いつでも何処でもネットワーク端末を意識せずに活用できる環境」です。その環境を構成するPDAや携帯電話の普及により、いまや多くの人が液晶パネルを持ち歩き、ホットスポットをはじめ様々なシーンで、仕事にプライベートに情報が活用されています。目前に迫ってきたユビキタス時代。それは、誰もがシームレスにネットワークを利用する社会です。いつでもどこからでもスマートに情報にアクセスし、だれもが自由にコンテンツを呼び出し活用する…そんなすべてを思うままに手にする新しいビジネスが始まろうとしています。

とまあ、ざっと見たところでもあちこちのIT企業が注目していることが分かります。そして「その到来は間近!!」とここ数年来、提唱はしているものの越えなければならないハードルが多すぎて大きすぎて、いったいぜんたいいつごろそんな世の中になるのやら・・・というのが正直なところだと思います。取り敢えずは最低でも全てのコンピュータがIPv6に対応しないと数が間に合わないようで・・・先の見えない話です。壮大であることは田中芳樹のスペースオペラ並なんですが。

ではいったいどのくらい壮大なんでしょう? 予測されている未来は?

http://it.nikkei.co.jp/it/news/ictag.cfm?i=2004041408125wf

ICタグ実用化へ
(4/15)ユビキタス研、日本郵船子会社とICタグ実験
 ICタグ(荷札)開発のYRPユビキタス・ネットワーキング研究所(東京・品川、所長・坂村健東大教授)は14日、日本郵船子会社と共同で倉庫内の貨物の位置を高さを含めてICタグで特定する実験に成功したと発表した。従来は平面上の位置しかわからなかったが、実験の成功でより高度な物流管理が可能になるとしている。

みみっちいところでは十分実用化されているようです。モノに全てコンピュータが付く、という意味では狭い意味でこれもユビキタスですね。

http://www.atmarkit.co.jp/fitbiz/column/reg031/reg1.html

街中に確実に増殖しているネットワーク・カフェを思い出すが、ユビキタス・コンピューティングはもっと「どこでも(遍在)性」が強い。もう少し分かりやすくいうと、「人がどこに移動しても、利用できるコンピュータの環境(や性能)は同じ」を実現するのがユビキタス・コンピューティングの概念なのだ。なにしろ「いつでもどこでも」なのだから、究極のユビキタス・コンピューティングは、必ずしもパソコンやPDAや携帯電話を必要とはしない。

おお!!、こいつはすごい。パソコンが要らないネット生活というのは想像を超えますね。

究極的には・・・・ICチップを埋め込んだ肉体が自ら電波を飛ばしてホットポイントにアクセスして、デジタルデータの入出力を自在に行い、どんなところからでもそれと意識せずにネットワークを行き来する・・・・「人間」ですかね。

ユビキタスを表現するような画像がないか探してましたらトップのような可愛らしい画像がヒットしました。

http://www.nri.co.jp/publicity/koukoku/001219.html
野村総研の広告でした。(植草一秀はどうなったんでしょ)

ユビキタス・ネットワークの中でぼくらはおとなになる(女の子編)
2000年12月19日 日本経済新聞 21面
(中略)
さよなら、20世紀(短いつきあいだったけど)
ユビキタス・ネットワークの中でぼくらはおとなになる

なんだかとっても怖いキャッチフレーズです。先日の長崎の事件を思い浮かべてしまうのは僕だけ・・・?