第百二十一夜 グリッドコンピューティング

alpinix2004-06-28

<写真:2002年当時のSETIプログラムのサーバー・・・らしい>
登板間隔が開くと感覚が掴めないもんです。かといって連投も宜しくないとは思いつつまた纏め書き・・・。最近ヒット数が落ちてるのはこのせいだろうなあと自覚してますが、まあ長い目で見てってください。

相変わらずsakyoさんとこの書き込みから飛んでくる人が後を絶たないなあ、と思ってたら・・・・

http://www.hatena.ne.jp/1088261673
こんな質問が。どうりで・・・。紹介が「中」扱いなので毒にも薬にもならなそうです。

アンケートの結果がどうなるかなんてあまし興味も無いし、大体想像も付くので気にしませんが、いわしがどうなるかに少しだけそそられるので、アンテナにいれておきます。

という前振りの後で、今回のお題は・・・

PC50台結びスパコン化 IBMなど金融機関に発売へ

http://www.asahi.com/tech/asahinews/TKY200406260304.html

普通のパソコンを複数台繋げて、スパコン並の計算能力を手に入れる方法を「グリッドコンピューティング」と呼ぶそうです。ここでは、

ニッセイ基礎研究所日本アイ・ビー・エム(IBM)は、日常業務に使っているパソコンを通信網で結んでスーパーコンピューター並みの計算能力にする「グリッドコンピューティング」を利用した金融機関向けシステムを28日に売り出す。金利・為替などの相場変動による金融資産の価値の増減など、複雑な金融リスクを高速で計算できる。

という使い方をするそうな。研究機関でもないのに今時そんなことする必要がある計算があるんかいな、と思いますが需要はあるようです。考え方自体は昔からあったものですが、(というかパソコンがここまで高速化、低価格化する前の方が、より研究されていた技術だと思うのですが)どこもかしこも緊縮財政のご時世になったことで再び引っ張り出されてきたようです。どちらかといえば、ネットワークのインフラやセキュリティ、ウィルス対策などの問題が派生するので単純に安く仕上がるわけではないと思うのですが・・・。

さて「複数のPCを連結させて、通常では出来ない計算をやってみよう」という試みと言って真っ先に思い浮かんだのが、
SETI」プログラムでした。
一昔まえ、まだパソコンがCPUの高速化に入る前、ネット環境がようやく整いだしたころに作られたプログラム、というか一種のお祭り的な運動でしたが、大学の研究室の空きパソコンなどではあちこちで導入されていたようです。私が以前勤めていた会社でもオペレータが勝手に業務用パソにインストールしてあったのを見たことがあります。(それはどうかなーと思ったが)
まだやってるんでしょうか? (やってるんだろーなあ)
・・・
・・・・
・・・・・
やってました。

http://setiathome.ssl.berkeley.edu/index.html

SETI Search for Extra Terrestrial Intelligence 直訳すると「地球外知的生命体の探査」とかになるそうです。

初耳の方はこちらを参照、
http://homepage3.nifty.com/iromono/kougi/ningen/node35.html
ざっくりと計画が分かります。

私自身は参加(といっても使ってないパソコンにソフトをインストールするだけだが)したことがないが、その「一見何の役にも立たない、単なるアメリカ人の知的好奇心の手助け」という形態にも関わらず多数の参加があったことは、まあそれだけじゃなかったんだろう、とは思う。何より世界中の人が同じ目的の元、自分の持っている何某かを投げ打って協力する行為そのものに酔うことができる、それはまあロマンティックでもあり、素敵なことにも思えるからだ。しかも計算の目的が、宇宙人の探索なんていう途方もないものだから、尚更だったろう・・・ってまだ続いてるので過去形はまずいな。

さて、SETIは置いておいて、グリッドコンピューティングに話を戻して検索してみました。面白いものはあるかなあ、と。

http://premium.nikkeibp.co.jp/grid/case/case3_1.shtml
グリッドコンピューティングからアクセスグリッドという考え方に進んだ形です。足りないパソコンリソースを補うのではなく、足りない人的資源を補おう、という考え方です。

http://premium.nikkeibp.co.jp/grid/report/report1_5.shtml
グリッドコンピューティングに向いている計算と向いてない計算。素人目にもわかるが、すぐに終了してしまう計算ならわざわざ分散させる必要もない。時間がかかる複雑な計算が向いているよという話。

http://jp.sun.com/products/software/serverperf/gridware/gridengine_js/gr_04.html
下の方の記事、

売ります、CPUリソース
本やハンバーガーを買うように、CPUリソースを売買する−。最近、Compute Power Marketと呼ばれる学術的なプロジェクトでは、誰もが空いているCPUリソースを売ることができるとともに、必要に応じてCPUリソースを買うことができる、グリッド環境を構築するためのソフトウェア技術の開発が始まっています。電力や電話を使うような感覚で誰もがグリッド・コンピューティングを活用する。そんな時代がすでに始まっています。

うーん、余ってるリソースを売るなんていう考え方・・・・SETIなんてもう流行らないのかなあ。太陽光発電して余った電力を電気会社に販売する、流行の自家発電と発想が似てますね。

http://blog.bulknews.net/mt/archives/000518.html

エログリッドコンピューティング(後略)

ネーミングが笑えた。

と思ったら気になる記事を見つけました。
http://www.softbankbb.co.jp/press/2003/p1031.html
2003/10/31の日付なので例の顧客情報流出事件の前ですが、YahooBBはこんなことを考えていたようです。
というかYahooBBのパソコンは開業当初「ネットワークコンピュータ上に隣の家のパソコンが見える!」という大失態!?をやってのけたキャリアなのですが・・・。
大丈夫かいな?
・・
・・・
・・・・
もしかしてそれもグリッドコンピューティングへの取り組みの一つだったのか?



YahooBB会員の貴方、いつの間にかパソコンが使ってないのにカリカリ動き出したら、リソースを勝手に使われてるかもしれませんよ。



追記:id:kiichigoさん、http://www.hatena.ne.jp/1088261673 の質問ですが・・・「どちらでもない」もしくは「どっちでもいい」という中間意見を取る項目があった方がいいような気が・・・。多少のかかわりがある当事者として単なる意見だけですが。