第百十九夜 ジビキアミ

alpinix2004-06-26

ひょんなことから、20数年振りに地引網に参加してきました。
茅ヶ崎の鵜沼海岸です。
江ノ島が見えます・・・・。
サーファーばっかりです。岸から20メーターくらいのところに数百もしかしたら千人近くいたかもしれません。

サーファーごと網に掛けてしまいそうなくらいいっぱいいます。

地引網についてちょこっと調べてみました。
ジビキアミ 地引網 地曳網 とも書く。

http://www8.plala.or.jp/shounan/new1502.html
下の方

■ 地引網
鵠沼海岸の地引網の歴史は300年以上という。漁師が人力だけで引き上げていたが、私が子供の頃の漠然とした記憶では、鵠沼海岸での地引網には地域の住民が自主的に協力し、大漁の時にはバケツに魚を分けてもらった覚えがある。下の写真(絵葉書)は昭和初期の頃に製作されたものだが、おそらく今とは比較にならないほど多くの魚がとれたものと考えられる。観光目的ではなく、生業として、あるいは農家の副業として、また地域の人々にとっては日常風景としての地引網であった。

網の形状が知りたかったので画像検索など使ってみました。
http://www.ohbsn.com/hpc/02/c0643/ami-kouzou.htm
http://www.irisawa.co.jp/bus/3_12/00015.htm


構造的に広い砂浜の海岸線で、海底の起伏の無いところでないと駄目なそうです。
ちなみに今回は朝10時から引き始めましたが本当はもっと早い時間(せめて9時から)の方が大量なのだそうです。
それでも鯛・カワハギ・平目・イカ、そして大量の小アジが採れました。
でっかいバケツに三杯程度。昨年同じ場所でやった人の話ではもっと取れたそうなので不漁の方らしいです。

しかし現在、本職の人が自分の漁の方法として地引網を使っている人はまずいないらしいです。
理由は、
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2000/00008/contents/043.htm

地引網という漁法は、これだけはどうしても機械化できなかった、という漁法でありまして、本来、砂浜の自然と調和していく方法としては、地引網ほど理想的な漁法というのはなかったんですが、沖合の漁業で獲る魚種のほうが価値が高いとか、安全にたくさん獲れるということもあって、地引網は急激に衰退していきました。その結果、砂浜で行う産業というのは、もうほとんどなくなってしまったんです。最近、地引網を復活させようというところが出てきていますが、今のような砂浜でやろうと言っても、あまり魚が獲れないので盛り上がらないのが実情です。

ということで、観光客に一回○万何某で曳かせた方がはるかにいいようです。
全国各地で観光地引網をやっているところは沢山あるようで、調べればいくらでも出てきます。でも漁の方法として利用しているとか、地引網の歴史とか、そういうサイトを見つけるのはとても困難です。
地元の観光協会とかが「参加型」のイベントとして注目しているようですが、そういう歴史的背景とかも取り入れたりしないと・・・ただ網引いて終わりじゃ長続きしないでしょうねえ。

小さい頃(20年ほど前)に地元でも地引網を引いたことがありました。思えばそのころから地引網は「観光漁業」になってしまっていたんですね。そのときにはでっかい蛸とか飛び魚とかががとれた記憶があるのですが、小さい私に父親は「それは漁師さんがちゃんと仕込んどいてくれたからだよ」といらぬ知恵を授けてくれた覚えがあります。

仕込むという単語を覚えたのはそのときだったような・・・。