第二百八十夜 人力検索を辞める日 其の八

なかなか時間が取れなくなって記事を進められなくなっています。下書き記事の日付がどんどん過去日付になってしまっているので、とりあえず書けた分から投下していきます。

まずは外部要因の回


では今回は早速、検索を始めよう! 振り切るぜ!
人力検索の登録質問数減少に関する要因分析

外部要因:
 1.ユーザー層の変化
  http://markezine.jp/article/detail/5832
2008年11月のはてな全体のリニューアルの記事です。それまでの技術系ユーザー中心の取り込みから、より広範囲のユーザーの取り込みへ"はてな"そのものの取組みが変わっていることが分かります。私見ですが、人力ユーザーの中心はどちらかといえば「技術系」それもWeb2.0以前からネットに親しんできたユーザーかと推察しています。(2006年以前に質問数が増加している点、コアユーザーの知見が技術系MLから流れてきた? と思われる傾向などからの推測)
 はてな全体としては、増加しているユーザーがそういった人力検索向きではないユーザーが増えている、(入り口が人力検索ではなく、他のサービス)ことは想像できますので、はてな内の他のサービスとの競合に負けている可能性はあります。
 

  2.他サイトのQ&Aサービスへの流出
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/23/news135.html
 2008年の情報ですが、2006年〜2008年はQAサイト全体で見てみると、ユーザー数は増加傾向、とくにYahoo知恵袋の伸び率は目を見張るものがあります。

この時期の日本全体のQAユーザーそのものは増加傾向にありました。ただ、他サイトのユーザーの伸びは技術系ユーザーよりも一般的な質問(恋愛であったり、食べ物や旅行といった身近な質問)のサービス利用ユーザーに支えられていると考えられ、多少の影響はあるにしてもはてなのユーザーを横取りした、という訳ではなさそうです。
そもそも、はてな全体のユーザー数は同時期においても伸びています。
 
  3.ネット接続方法に関する統計(回線種別、利用端末の推移)
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/parts/image_for_link/34410-16226-2-1.html
世の中のインターネット接続そのもののインフラはどうだったのかを調べましたが、どうも2006年頃にほぼ全世帯にいきわたり、総数はその後は安定しているものと思われます。2007年度までしかデータが無いですが、この後はADSL→光回線などへの高速化が進んでいるものと思われます。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20118048,00.htm
一方、注目すべき記事がありました。

個人のインターネット利用端末について見ると、携帯電話等の移動端末の利用者数が前年末から1098万人増加(18.8%増)して推計6923万人に達し、パソコン利用者数(推計6601万人)を初めて上回り、モバイル化がさらに進展した。また、インターネット利用者(推計8529万人)の過半数(57.0%、推計4862万人)は、パソコンと移動端末を併用する一方、パソコンのみの利用者は521万人減少した。

http://www.aichi-c.ed.jp/contents/network/portable/material.pdf
平成17年末までですが、推移情報。

それまでPCからの接続がインターネットの主流であったのが、携帯端末併用、若しくは携帯端末のみ、という利用が取って代わりつつあります。その分岐点がどうやら2006-2007年ごろと思われ、Iphoneの登場、携帯のダブル定額料金形態の市場普及により、さらに進行しているものと思われます。そういえば、一昨年当たりから、私の会社の新人もPC不所持、ネットは携帯のみという世代が散見されるようになりました。こちらは感覚値なので早計かも知れませんが、昭和60年代生〜の世代では特にPC離れが進んでいるように思われます。

 
以上、外部要因から推察されるはてなを巡る状況ですが、ユーザーのパイそのものは業界としては増加している。但し、それまで人力検索をメインに利用するタイプの技術系ユーザーは相対的に減少しており、人力検索を利用するのに必須である環境=PCからの接続環境については2006-2007年をピークにどちらかといえば下降線をたどっていると思われます。
 
もともと外部要因ってはてなの中でもあまり議論されていないし、自分でもどのくらい影響があるのか自信が無かったのだが、インターネットの世界としては「はてな」が流行遅れ、になりつつあるのかもしれん、という感は否めないんではないかな。

次回は内部要因です。