第二百四十八夜 バイバイ長い夢

久々にJPOPでいい曲だな、と思えるのが出てきました。
YUKI「長い夢」
AUのCMで、流れていたので聞き覚えのある人も多いかと思います。
 
まだの方、
http://www.yukiweb.net/
のRELEASEから視聴することができます。(ダウンロード購入もできますが、以前このサイトで取り上げたATRAC3方式です。CD−Rとかに焼けませんのでご注意を)
 
「バーイバイ、長いゆめー そこへ行くにはどうすれーばいいの? 」
すごくテンポのいいサビの部分に意味深な歌詞。
バックグラウンドを知らなくてもなんだか引き込まれること請け合いです。裏覚えですが、桑田圭介が、曲の歌詞は意味が通って無い方がいいんだ、みたいなことを言ったと記憶していますが、そう思いますね。一回聞いただけで全部分かってしまうような歌詞より何度聞いても左脳では完全には理解できない、そんな歌詞の方が返ってココロに残るんだと思います。
 
さて、曲紹介をするためだけにこの「長い夢」を取り上げたわけではないので、そろそろ本題へ。
この曲、曲の良さ、YUKIがCMでウサギ耳を付けた格好の可愛さでも話題になったのですが、何よりもこのサビの歌詞とリンクするかのようなYUKIの私生活の事件が、どうもファンを逆に魅了しているようです。
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200503/gt2005031802.html
このニュースは僕もスポーツ新聞を読んで知っていました。そしてCM曲を聴いて、「なんとなく・・・」という思いは感じていたのです。
 
公式の見解では、とくにそのことには触れられていないですが、何かしら感じるところはあると思います。
http://misoracity.blog8.fc2.com/
ここでは、

なぜこれらのことが「妙」だと言うかというと、
このCDの発売が発表されたのは、子供が亡くなった直後
だったということです。発表されたときには、
すでにこの曲は出来上がっていたはずです。
ということは、この曲が完成したのは
子供が亡くなる前ということになるのではないか、
ということです。

偶然の一致なのでしょうか・・・。
それとも子供が亡くなったことをきっかけに
歌詞の内容など急遽変更したのでしょうか?

とありますが、さて真相はどうなんでしょうか・・・。
少なくともタイトルの方は発表後に変更になったそうです。
http://blogs.dion.ne.jp/maria/archives/936145.html
もともとは「バイバイ」というタイトルだったようです。
 
で、今回のホントーの本題は、じつは、

乳幼児突然死症候群(SIDS)
です。
YUKIさんのニュースを見たときから「おや?」と思っていたのですが、そもそも乳幼児突然死症候群という病名は初耳ではありません。チョイ昔から幼児の死亡原因の上位に入ってきている、というニュースは聞いていたもので。
で、何が「おや」と思わせたのかというと、この乳幼児突然死症候群というのはそもそも病名では無かったはず・・・という思いがあったからです。
http://www.sids.gr.jp/sids.html#001

厚生省では、それまでの健康状態や既往歴から予想できなかった死、さらに解剖を行っても原因がわからなかった死を、SIDSと呼ぶよう定めています。日本では解剖を行うことが少ないため、本当は原因がわからずSIDSだったケースが、窒息や急性心不全などの診断を下される場合もあります。

とあるように、「なんだか原因がよく分からない幼児の突然死」を指して乳幼児突然死症候群(SIDS)と呼んでいるのです。
 
成人の死亡原因に「心不全」というのがありますが、あれと同じです。
なんらかの原因で心臓が止まったので亡くなってしまった・・・実はその心臓が止まった原因はよく分からない、というアレです。
 
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2005/04/h0418-1.html

 I 乳幼児突然死症候群(SIDS)の定義:
 (Sudden Infant Death Syndrome: SIDS):
 それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群。

厚生労働省のページでもこうなっています。悲しいことに何故突然死ぬことになってしまうのか、原因は誰にも分かっていないのです。
 
わずかにうつ伏せ寝よりも仰向け寝の方が良いのではないか・・・というような不確定な予防策がある程度。
 
しかしこの死亡原因の一番問題は「原因がよく分からない」というその点にあります。昔からあった死亡原因(原因がよく分からないのに死亡原因というのも変な話だが・・・)で、乳児が死亡した際によく「世話の仕方が良くなかったのでは?」という疑いが掛けられがちだったそうです。
 
特に母親の悲しみは相当なものだと容易に想像できます。
 
先ほどの厚生労働省のサイトの「取り組み」のところにもこうあります。

乳幼児突然死症候群(SIDS)で児を失った家族、特に母親に対する精神的なサポートの重要性の社会的認知を高め、そのサポートを行っていくことが重要である。

乳幼児突然死症候群は母親の不注意から生じた事故ではなく、疾患であるとの認識が重要らしいです。
 
そういう意味で、乳幼児突然死症候群は病名として認知してもいいのかな、と思えます。
 
それにしても、そういう諸々を理解した上で、「ばーいばい長い夢」のフレーズを聞くと・・・。
 
ちなみにこの「長い夢」を聞いていると、「な、がーい夜を」というフレーズを思い出しました。よくカラオケでこの「な」と「が」の間をどれだけ引っ張れるかを競いあったのを思い出しました。
 
 
ぜんぜんかんけーないですね。