第百七十四夜 片恋

alpinix2004-10-24

片恋・ファウスト (新潮文庫)

片恋・ファウスト (新潮文庫)



欲しい本を探すのに随分と時間をかけてしまいました。
探すきっかけになったのは、サイコメトラーエイジという漫画にこういう引用があったところから、です。
「人の喜びや悲しみというものは草や花の僅かな匂いほども、長く続きはしない。」
CaseFinal「罪と罰編」の最後の方に登場人物の独白のような形で上記の引用がされているのです。

・・
どんなところに使われているのか知りたくなったので、本やにいってドストエフスキーの「罪と罰」を買ってきました。
上中下の三巻組みです。
気合を入れて読み始めました。恥ずかしながら文学部出身のくせに本気でロシア文学を読むのはこれが初です。あらすじくらいはなんとなく知ってはいましたが・・・。
 
途中、上巻を仕事で立ち寄ったホテルに忘れて買いなおし、などのトラブルが発生するもなんとか、2週間くらいかけて下巻の途中まできたところではた、と気づきました。
 
 

 
なんか探してる文言って、全然ドストエフスキーっぽくない表現だな・・・。
下巻の真ん中まできたところでもう一度気になりはじめました。再びサイコメトラーエイジにバックして該当の引用部分を見てみました。

・・
それまで「罪と罰」を片手にしていたその登場人物、なぜかその引用部分に限ってツルゲーネフの「片恋」を持っています!!
ダマサレター。
というわけで3週間目にして「片恋」を探すことに・・・・。とほほ。
新宿や池袋界隈の大きな書店の岩波文庫を探しまわりました。
ツルゲーネフだから海外のロシア文学のコーナー・・・ということは岩波でも赤背の棚だから・・・・。

・・
この思い込みが間違いでした。結局見つからず・・・絶版なのかな、とあきらめ始めました。
 
でもネットショップなら買えるんでは・・・
探してみました。
・・
・・・
http://www.shosai.ne.jp/CGI/search/search.cgi?mode=key&syouhin_syubetsu=1/2
あったー!

片恋・ファウスト
ツルゲーネフ米川正夫(訳)/新潮社
価格: \315(税込)

しかもネット配信してます。
早速ダウンロード・・・・。
読んでみましたが、該当する訳の箇所がうまく見つかりません。
・・
・・・
訳者が違う?
さらに探しまくって二葉亭四迷氏の訳が岩波から出てるはず、というところまでは分かりました。
でも本やには並んでません。書店によく並んでる販売書籍カタログにも掲載がありません・・・。
悩みました・・・。
・・・
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003100735/250-2981101-6683432

??

あひゞき,片恋,奇遇 他一篇 岩波文庫 緑 7-3
ツルゲーネフ (著), 二葉亭 四迷 (翻訳)

「緑7-3」?
・・
・・・
そうです。翻訳者である二葉亭四迷氏の著作物、というくくりになっているようで、海外文学の「赤背」ではなく「緑背」の方に岩波では区分されていたのです。
早速紀伊国屋に行ってみました。
・・
・・・
「あったー!」
それも
「リクエスト復刊」となってます。そりゃカタログにも載ってないよなあ・・・。