第百四十一夜 トラックバックスパム

はてなダイアリー内で問題になっていることなのでいまさら、説明は不要でしょうか。無作為にトラックバックを飛ばしてそれを元にジャンプしてくる人を集める行為を指すようです。
まとめてくれている質問回答がはてなにあるので紹介しときましょう。
http://www.hatena.ne.jp/1086617449
まあ私のとこにも飛んできてたのですが、いつものスタンスで無視してスルーするつもりだったのですが、ちと思いなおして取り上げることにしました。とりあえずはてなダイアリー内で言及しているところをあさってみました。個人攻撃する方向に話を持っていくつもりはないのですが、取り上げる以上送信元のid:Ooooooooooooooo氏にもトラックバック送っておきます。
 
一番意見やコメントが現れてるのは、
http://diary.hatena.ne.jp/hatenadiary/20040811
ですね。日付からして二回目のトラックバックが大量に送信された日に書き込みが多数なされたようです。一回目はみんなやっぱりスルーしてたんですね。
その他個人のダイアリーでも多数言及されています。
http://d.hatena.ne.jp/K2Da/20040814
n層という表現で無限連鎖を警句されているようです。(解釈違ってたらすまん)
http://d.hatena.ne.jp/sasada/20040814#1092443557
sasada氏のところでもやはり取り上げられています。個人的にははてなの良識だと思ってる方なので言及元のkowagariさんの日記も、
http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20040813
システムそのものへの批判で終始されてます。大人の対応ですね。
2ちゃんでも話題になっていたようですが、今回の問題の分かり易いところはそれがはてなダイアリー内で完結したスパムだという点だと思います。逆にそれゆえに論点が摩り替わっていった傾向も感じられなくもないですが。
 

http://d.hatena.ne.jp/knorimoto/20040812
http://d.hatena.ne.jp/stinger/20040816
http://d.hatena.ne.jp/dasm/20040815#1092582113
http://d.hatena.ne.jp/xxxcallingxxx/20040812
十羽一からげで申し訳ないが、上記ダイアリーでもコメントされてます。概ね「トラックバックもらったけど内容に言及してない空トラックバックは迷惑!」というスタンスのようです。気持ちは分かります。


http://d.hatena.ne.jp/matsunaga/20040816
恐らく一番被害(?)を受けておられる方。ちょっと冷静になられた方が・・・という余計な心配もしてしまいますがまあ心情的にはこれも分からんでもないです。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%E9%A5%C3%A5%AF%A5%D0%A5%C3%A5%AF%A5%B9%A5%D1%A5%E0%C8%EF%B3%B2%BC%D4%A4%CE%B2%F1
で、このへんの流れがあって出来たキーワード(?)が「トラックバックスパム被害者の会」。かなりの長文でこの労力には頭が下がりますが、注目すべきは一番下のスコア。
8月18日午後5時現在で、
リンク不要(64) リンク可(20)
リンク不要が圧倒的に多数となってます。「静観」スタイルの方の方が多数を占めているのではないか、という推測が成り立ちます。
で、このキーワードの作者のサイトでもやはり言及されてます。
http://d.hatena.ne.jp/gliff/20040815#p3
こちらで注目すべきは会創設に対しての否定的なコメントです。そんなことすることはないよ、という助言ですね。
ここではてなダイアリーから離れた記事も少しさらってみました。
http://azl.at.webry.info/200406/article_14.html
安易なトラックバックを自戒されています。
http://hibi6.homeip.net/archives/000101.html
トラックバックスパム一般について言及
はてなダイアリーではこれまで比較的トラックバックスパムの問題は表面化してこなかったようですが、ココログあたりでは既に大きな問題になっているようです。
・・
・・・
・・・・
で、ここまでやってみて何が分かったかというと、
トラックバックスパムはメールスパムとはやり方は同じでも受け取った人の心情は異なる、という点です。大半は無視、スルーという対応をとるべきだと感じておられる方が多いようですが、トラックバックスパムはブログなど自発的に起こしたサイトに飛んでくるスパムということで「自分の家の庭に入られた」という受け取り方をされて不快な気持ちになる人も多いようです。ブログや日記は個人の情報を公開してそれに対して反応を待つ、というスタンスが多いのでトラックバックスパムはそういった作者の気持ちを逆撫でする可能性が高いのではないかと推測します。
それで反応が過激になったり、はてな内での一連の流れのように大きな問題に膨れ上がったりしたのでしょう。
 
 
スパムそのものに対する対応としては以前は「無視する」というのが一般的な対処法であったと記憶してます。とにかく無視する。リンク元まで見に行ったりは決してしない。効果がないことが分かればスパム行為そのものが減るだろう、そういう解釈であったと思います。しかしトラックバックスパムに限らず昨今は違う見方もあるようです。
迷惑メール(スパム)撲滅私的調査会
http://www2g.biglobe.ne.jp/~stakasa/spam/spam01-j.html
共有物であるネットリソースを無駄に使うことを非難する、という基本スタンスは変わってませんが、対策としては「スパムが起こりにくいような圧力を生み出すこと」をここでは挙げています。
ちと分かりにくいですが、ネット上のリソースを守るためには声を上げなければならない、でその持って行き所としては、
スパム送信者が利用したネット業者
スパム情報提供を受け付けている行政窓口
の二つを挙げています。行政窓口は置いておくとして、取り締まるべき団体として「利用された(踏み台にされた)ネット業者」を示しています。
これまで拡大ばかりに目が向いていたネット業界にもシステムの強化が求められていくことになります。これがなされない業者は淘汰されていくべきかもしれません。
で、今回の問題ですが、被害(?)は、はてなダイアリー内に終始しています。間違っているのなら正すべきはid:hatenadiaryさんだと結論付けることになります。どちらかといえば参加者のモラルに頼る傾向にあるはてなですが、今後のことを考えるとちと重い腰をあげてもらわねばならないときかもしれません。
他のスパム以上に今回の件が感情的な問題にまでなっていったのははてなダイアリーが、それぞれのid持ち主の「所有物」であるという自覚からきたダイアリーへの愛情が基点になっていると思えます。折角こんなに利用者に気に入られているブログなんですから守っていってほしいもんです。